あの日見た景色

先日見慣れない番号の着信に電話を出た。
十年近く前に住んでいたところの現在の住人から
俺宛に荷物が届いているとのこと。その親切心に深く
感謝して翌日その荷物を取りに伺った。
そのマンションはオートロックなので基本的に住人しか
中に入ることができない。十年前後の過去の記憶が
緩やかに紐解かれてゆく。
コピーライターから書への転換期を過ごした場所。
胸を焦がした恋を育んで散らした場所。
ひょんなことから久しぶりに訪れた街の空はどんよりと
雲が垂れ込めていたけど、帰り道その雲の切れ間から
少しだけ光りが洩れた。

まだありがたいことに筆を握らせてもらっている。


俺の進むべき道はここにある。
でこぼこの道だけど強い気持ちひとつで景色を切り拓いてゆく。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。