そして夜はふける。

ドライマティーニはアルコールでない酔いを運ぶ一杯である。
十年ほど前、六本木で孤高のバーテンダー(僕は勝手にそう思っていた)
の作る極上のドライマティーニに出会ってからこのカクテルの虜になった。
この方、酒に飲まれると正体をなくすお茶目な人だが、カクテルの腕前と
仕事に向かう姿勢と謙虚な人間性は今でも僕のいい手本となっている。
今はフレンチの巨匠の三國清三氏のお店でチーフバーテンダーとして
活躍されている。この人のおかげでドライマティーニの本物を知ったのだ。
だから敬意と感謝を表してドライマティーニは特別な時や特別な人としか
飲まない。自分の中だけにある小さな思い入れとこだわりがこの一杯を
格別なものとする。

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