風景の中の思想

かつてコピーライターをしていたことがある。熱を内包しながらもちょっと切なくて冷静な言葉(コピー)が好きでその影響が少なからず今の自分の文体になっていると思う(というかそれ以前から自分自身そういうタッチが好きだった)。中でもこの「いいちこポスター物語」(河北秀也)という本が好きだった。久しぶりに読んでみるとあの頃の自分さえも蘇ってくる。当時六本木で飲食の仕事をしていて円形脱毛症になるほど悩んでいたときに、この「いいちこ」のポスターが駅に貼ってあってそれにいつも憧れていた。何かをうらやましがるくらいならやってみろ、だ。それからその会社を辞めてコピーライターになった。その後、書を始めたときに自分の作品をこれまた業界の重鎮、僕の一番尊敬しているコピーライター(アートディレクター)秋山晶(キャノン、キリンラガー、キューピーの広告などが有名)氏に送ってみたらなんと感想を記した丁寧なハガキが届いた。その感動はいまでも忘れていない。コピーライターとして突っ走った一時、それはその後の僕に意外にも大きなものをもたらしているのかも知れない。今日の東京は36℃を越えた?くたくただ。明日は涼しくなれよ。さぁビールでも飲もうか。

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